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「金融権力

「金融権力<br />
 -グローバル経済とリスク・ビジネス」本山美彦
「金融権力-グローバル経済とリスク・ビジネス」本山美彦 
   岩波新書 赤1123 

 非常に面白く読んだ。われわれシロートあるいは「市民」が読むべき
経済の入門書はこれだよ。
 金融、というのは「金を融通する」と言う意味だったのに、今や、
構造的権力として、猛威を奮っている、と言う。「金融革命」を解剖し、
サブプライム問題で露呈したリスク・ビジネスの行き詰まりを
明らかにする」のがこの本だ。成功していると思う。
 
 それにしてもヤフーで検索すると「本山義彦は日本共産党の
御用学者である」とするサイトがトップに出てくるのは、一体
どういうつもりなんだろう?あきれた話だ。少なくともこの本で
書いてある基調は、グローバル化、自由化というのはマネーゲームで
儲かる自由に過ぎず、物を作って儲かる世の中のほうが健康だ、
と言うことだけだ。それを共産主義というなら、そういうやつは
右翼のゴロツキだな。


 以下は、要約でも引用でもなく、読みながら書いたメモ
 

 「レーティングエージェンシー」=「格付け会社」 アメリカ証券取引委員会(SEC)が
お墨付きを与えた格付け会社がNRSRO 
 NRSROの認可も、NRSROの行う「格付け」も明確な基準がない 企業は
NRSROに格付けしてもらうときに「手数料」を払う。
 経済のグローバル化の犠牲が日本長期信用銀行や山一証券
 鉄鋼や重機械など基幹産業は顧客が専門家なのであまり高く売れず
儲からない。基幹産業だからとそれを支える長期信用融資機関が
長期債を引き受けていた。
 日本では今でも株式投資より預金する。そんなに引き出さないので、
集まれば長期安定資金
 BIS(国際決済銀行)が唱えた自己資本比率目標、、、「預金は銀行の
短期債務だから、長期貸し付けするのは危険だ。」
 銀行が預金を集めると自己資本比率が下がってしまう
 マスコミが、自己資本比率が小さいと騒ぎ立てて、(預金を移動されて
しまい)銀行の破綻が相次いだ。
 おびえた庶民は郵便貯金に移動。バカども(いわゆる識者and/or小泉)が
騒いで、郵政民営化
 預金者→銀行→企業という間接金融に対して
 株主→企業 という直接金融はむしろ短期資金である(よほど危険)
 だから、起こるべきして起こったサブプライムローン問題

 以上プロローグからのメモ
 
 
「世の中の偏在する資金を、それを必要とするところにまわして
あげて、富の生産に役立てるのが金融の本来的な姿」
「生産力の衰えたアメリカが、その立て直しに努力するよりも、他国の
民が汗して生み出した富を、金融という手段で自国に環流させようと
しているのではないだろうか。そのためにアメリカはノーベル賞級の
頭脳を動員して、自らの金融システムを世界標準にしていったのでは
ないだろうか。その典型がデリバディブの市場ではなかったか」

以上「マネー革命丸1」相田・宮本 NHK からの孫引き


 サブプライムローンの深刻化は、長期の金融であるべき住宅ローンが
短期資金に依存したからだ。
 ローン債権を担保に銀行から1年未満の資金を借り入れて、それを
住宅ローンとして貸し付ける。その債権を担保としてさらに、、、
アメリカのある民間住宅ローン会社は、手持ち現金11億ドルに対して、
1年以内に返済しなければならない負債が、約600億ドルもあった。
(上記、銀行の自己資本比率の話はいったい何だったんだ?(俺))

 粉飾決算は今も昔もあったが、
 昔の粉飾決算は、利益がないように粉飾して、脱税した。
 今の粉飾は、利益が出たように装って、膨大な役員報酬を得るためだ。

 ESOP:従業員持株制度
「古来からある株という日本語は、売買して金を儲けるものではなく、
事業に参加する証である」

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