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怖い絵 中野京子

09924kowai  書名で損をしているのではないかと思う。もっと良い題名はなにか、と言われてもそれはそれで困るのだけれど。
 たしかに、「怖い絵」というコンセプトで古今の名画を読み解いているのだが、たしかにうまい切り口だし、内容が文句なくすばらしいのだが、この題名では一部の人(特殊な興味を持つ人)しか手に取らないのではないか。だが、だれでも絵に興味があれば(あるいはあまりなくとも)とてもおもしろく読める、と思う。

 ある意味では、どんな絵も怖い。なにしろたいへんな労力(と言うことはよく言われる「思い」と言うようなもの)をかけて作品は生まれるのだ。なにかしら、怖いものを持っているのではないか。わかるように描いてあることも、わからないように描いてあることもあるし、作者自身が気づかずに現れていることもある。描いてしまったこともあるし、描けなかったことからわかることもある。そういうものをわかりやすく解説していて、だから、普遍性を持ったすばらしい絵の解説本になっている。

 どうも困った風潮だと思うのだが世の中、絵でも音楽でも、
「何も知らなくて良い、心のままに、感じたままで良いのよ」
みたいなのが蔓延していて実にけしからんことだ。
 もちろんそういう部分もあるのだが、それだけじゃない。絵でも音楽でももっと知的な部分があるのだ。絵の鑑賞でも、知らなければ本当の良さを感じられないし、誤解するような知識(その絵の描かれた背景とか作者のこととか)がある。知ることはそのこと自体楽しみでもある。2.3と、続編も楽しみだ。

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