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「だます心 だまされる心」安斎育郎 岩波新書 赤954

111029_13090001 著者は「ジャパン・スケプティクス(超常現象を批判的・科学的に究明する会)」の会長だそうで、オカルト批判の著書多数、だそうだ。この本もそういう姿勢で貫かれていて、自分の趣味のマジックの話から、川柳、こっくりさん、宗教関係、生物の擬態、マスコミのこと、悪徳商法と、あまりに手広く話が広がってしまって、散漫な印象だ。
 4章は「科学者もだまされる」なのだが、ここは内容に問題があると思う。
 脚気をめぐる森鴎外の錯誤は、わかりやすく書いてある。森鴎外が錯誤に陥って、データを見ようともせずに声高に他人を批判し、そのために多くの死者まで生み出した愚かさは、本当に腹立たしい。
 長岡半太郎の錯誤は、これは錯誤なのだろうか?単なる「成果が上がらなかった研究の事例の一つ」にすぎないのではないか。
 確かに、今では水銀が金に変えられないことはわかっている。しかし、当時、原子の構造がわかりかけていて、だからこそ、原子の構造を変えられるかもしれない、と追求を続けたのだろう。それをその後わかった知識をもとに今、批判できるのだろうか?
  これを「錯誤」と言ってしまったら、すべての失敗した研究はすべて「錯誤」ではないだろうか。それは後から言えるだけのことだと思う。
 

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