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「外国語上達法」千野栄一 絶賛!

2012926gaikokugo
 「外国語上達法」千野栄一(岩波新書)は、本当に名著だと思う。
 外国語を学ぶ上で必要なことがきちんと整理され、過不足無く記述されていると思う。そしてなにしろ読んで面白い!どの一部分をとってもおもしろくて、何度も読み返した。今も、ちょっと手に取ったら、何ページかまた読み返してしまった。
 だが、これを読んだら誰でもすぐ外国語が上達するかというと、それはどうかなあ。僕自身は今でも英語ですら、まったく駄目、と言っていい。それはこの本のせいじゃない。それはこの本の価値とはまったく関係ない。むしろ、これに書いてある通りで、僕にとって外国語はほとんど切実には必要ないからだ。

 楽器上達法と外国語上達法はよく似ていると思う。この本の最初の章は「はじめに〜外国語習得にはコツがある」だが、楽器習得もそう思う。僕も音楽の才能はないけれど、音楽には才能だけじゃなく、楽器習得のコツがあるのはよくわかる。つぎの「目的と目標」では無目的に学んでもすぐ挫折する、と書いてある。楽器も例えば、市民オーケストラで迷惑をかけずに楽しめる、と言う目標があったら、ちょっとがんばれるだろうし、それなら毎日3時間練習しなくても良い。「必要なもの」はお金と時間だそうで、あるいは毎日の少しずつの繰り返し。以下、どれも本当に楽器演奏とよく似ている。
 最後にある「レアリア」という章は、語学は文化だということが書いてある。これも例がとても面白くて、当時まだ背面跳びを知らなかった体育関係者が、背面跳びの方法が書いてある手紙をいくら読んでも理解できなかった、とある、なるほど。
 音楽もそうだ。例えば、ジャズでも、フランスバロックでも、あるいはブラームスでも、楽譜通り演奏しても、その背景が少しはなければ、全然音楽にならないのではないか。

 ともかくこの本は、外国語を学ぼうとする人にも、駄目だったと思う人にも、すべての学生にも、楽器演奏をする人にも、今あげたどれでもない人にも、ただの楽しみのための読書をする人にも、お勧めの本なのだ。

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