« のんびりした正月 | トップページ | トランプ・リスク 保育士月給 / 今朝の新聞 »

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 竜田一人

20171031f
 話題の漫画が108円で何冊も出ていて、一度読んでみようと買ってきた。3巻まで出ていて、一応区切りだそうだ。2巻以降も見かけたら買おうと思う。
 帯がついているようなカバーデザインなのだが、そこに書いてある

これは「フクシマの真実」を暴く漫画ではない。「これが、彼がその目で見てきた「福島の現実」

 と言うのが的確に内容を表している。うまく、きちんと書いてあって好感が持てる。一度読んでおくべき本だと思う。驚くような事はほとんど何も描いてない。話題だし、ネットで著者のインタビューとか書評とか、いくつか読んでみて、それも面白かったが、いくつかのところで出ているような、現実はこうだったんですねえ知らなかった!みたいなのは、なんだよお前には想像力というものがないのか、という印象を持ってしまう。著者もそう思っているかもしれない、ふつうの(劣悪な)労働環境に過ぎない(と思う)。
 もちろん、そうかもしれないとうすうす感じていたけれど、読んでみてなるほどと思う事はたくさんあった。だから読む価値があった。
 著者が5次6次下請けで雇われ、つまり5個も6個も中間搾取されているのも、想像できる範囲内だが、あきれかえってしまう。「中間搾取」と書いたが、それだって、劣悪な環境だけでなく悪い風評の中で労働者を確保するにそれだけのコストがかかるのだ、と現場は言っているかもしれない。(それが正しいとは思えないけど。つまりもっと中間に引っこ抜かれないですむ方法があると思うけど。)
 放射線について著者があまりにも無知で無頓着だ、ろくに勉強もしていないのにえらそうだ、というのもネットで読んだ。おまえこそどれだけ勉強しているんだ?そしてもちろん、そう書いている僕もシロートだ。著者はこれが現場で働いている者の「現実」だと書いてるじゃないか。それから、専門家がなんだってんだ?数学者が知っている数学の真実と、放射線の専門家が知っている放射線の人体に対する影響とは質が違う。放射線の専門家なんて(政府、東電の御用学者じゃなくても)単にほんの少し知識が多いというだけだし、その知識は専門家仲間うちの文献を通してだけのものじゃないか。特にこの分野は専門家でもろくになんにも知らない者が多いように思う。(僕のようなシロートでもわかる論理、統計、疫学にかんする感覚や知識すらなさそうだ。)


|

« のんびりした正月 | トップページ | トランプ・リスク 保育士月給 / 今朝の新聞 »

漫画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1394633/69108775

この記事へのトラックバック一覧です: いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 竜田一人:

« のんびりした正月 | トップページ | トランプ・リスク 保育士月給 / 今朝の新聞 »