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老母の用をたす

 朝食後、実家に行き、ズッキーニの苗を植え、ジャガイモに追肥と土寄せをして、母に持って来いと言われたいくつかの服やら、なんやら、なんだっけもうぼくが年取って覚えていられないのだまいる。メモを見て、それらを掘り出して老健へ。
 風呂に入れてもらっていて、出て来るのを待ち、こちらは頼まれていたものを示すのだが、本人はそんなことより今がすべてなので、あれをやってくれ、これをやってくれと自分のことしか言わない。まあ老人なのだからしょうがない。入院していたときのすっきりボケていたことを考えると、まあ、ほぼ回復しているのだからすごい。それにしても回復してくるとわがままというか自分の思うとおりにならないと我慢ができないのでまいる。
 1)風呂敷を2、3枚持って来てくれ。
 風呂敷って、なににつかうんだ?
 そこらへんにある服を入れるのに使うんだよ。
 袋じゃだめなのか?袋だったら今でもそこらへんにもあるんじゃないか?
 風呂敷があるからそれがいいと思うんだよ。冷蔵庫の並びの食器戸棚との間の作り付け家具の左の方の引き出しの中に、これこれの模様のとこれこれがあるはずだけれど、なければ、母屋の南の廊下の突き当たりのタンスの上の方の引き出しにあるはずだ。それから
 2)小学校のときの同級生に、3000円くらいのものを送りたい。
 僕の次女の作業所で作っているせんべいはどうかというので、ありがたい、どんな詰め合わせがあるか聞いてくる。それでいいか?
 わかった。ついては何々さんに送ってほしいのだけれど、住所を覚えてない。家のどこそこのカラーボックスの上の段の右の方に小学校のときの同窓会名簿があるはずなんだけれど調べてくれるか?
 わかったけれど、このなになにさんのメモのこの字はなんていう字なんだ?
 それはこれこれでこういう字。というそういうやり取りだけで何度も聞き返さなければならない。
 で、送るけれど、なんて言って送るんだ?ただ物を送りつけるのでいいのか?
 うーん、字が書ければいいんだけれど、うーん、お悔やみ申し上げます、ってそれでいいよ。
 なんなんだ?だれか死んだのか?
 そう、奥さんが死んだっていうのを、このあいだどこそこのだれだれさんが来たときに言うんだよ。それが、、、(と、きりがない)
 わかった、じゃあ簡単な手紙でも、おれが書いてくるから見てくれ。
 わかった。ついでに誰それさんとは親戚付き合いしているわけではないけれど、だんなさんが亡くなって一周忌だというし、そちらにも送りたいのだけれど、そっちはこれこれをこうやって送ればいいから。
 送ればいいからって、それは同じじゃだめなのか?
 だって、だれそれはこうこうでこっちはこうだから、こうなんだよ。
 たいしてかわらないだろう。じゃあ、これこれじゃあどうなんだ?
 それでもいいけれど、それだったら、あれがこうだから母屋のどこそこにあるあれを使ってくれるといい。
 なんでだよ、そんなのどれでもいいだろう。こっちで適当に用意すればいいだろう?
 でもせっかくこれこれがあるんだからもったいないじゃないか。(おれの手間も考えてくれ、探し出すだけで手間だ。おれの時間はもったいなくないのか?ないんだろうなあ。)
 それじゃなきゃ、これこれでこうして欲しい。
 (あきれかえって)わかった。じゃあ、これこれにする。
 それでいいよ。(それでいいよ、じゃないよ。)
 3)以下あと数個あるのだ。ひとつひとつ辛抱強く聞いているつもりなのだが、さっぱりわからない。いくら時間があっても足りない。

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